任天堂の旧本社社屋を活用した京都のホテル、丸福樓で、2026年10月15日(木)から新しい朝食が始まりました。朝食専門店「いとおかし」と共同開発した、花札をモチーフにした和御膳です。
宿泊者以外も予約でき、朝食だけでなくブランチとしての利用も可能。今回は実際に訪れ、料理の味わいや花札を取り入れた工夫、共同開発の背景についてお話を伺いました。
丸福樓の新朝食は、花札を一枚ずつめくるところから
運ばれてきたのは、土鍋で炊いたご飯に焼き魚、椀物、そして花札の絵柄が描かれた4つの蓋付きの器が並ぶ和御膳。
「花・鳥・風・月」をテーマにした季節の料理が、それぞれの器に盛り付けられています。

さっそく蓋を開けてみると、そこには彩り豊かな料理が。花札を一枚ずつめくるように、次の料理と出合えるのが今回の朝食の面白いところです。

外した蓋は専用の台に立てて飾ることができ、4枚の絵柄を並べて眺める楽しみも。ちなみに、食べる順番に決まりはないそう。好きな料理からいただけます。
「花・鳥・風・月」それぞれの器に盛られた季節の料理
花札の蓋をめくると現れる、4つの料理。それぞれに季節の景色や食材にちなんだテーマが込められています。
「花」|海老の旨煮で華やかさを表現

「花」は、食材の彩りで花の華やかさを表現した一品。
取材当日は、自家製の出汁で煮た海老にラディッシュを添え、煮込んだタコや甘く仕上げたさつまいもなども盛り付けられていました。
「鳥」|鴨のローストと出汁の効いた卵焼き

「鳥」は、鴨や卵を使った、鳥にちなんだ料理。
この日は鴨のローストと卵焼きが登場しました。鴨は低温でじっくり火を入れ、柔らかく仕上げているそう。
卵焼きからは出汁の風味がしっかりと感じられました。
「風」|季節野菜のお浸し

「風」は、風に乗って訪れる季節の移ろいを、旬の野菜で表現しています。
取材当日は、季節野菜のお浸しが用意されていました。
「月」|かぼちゃの胡麻豆腐で表す月見の風景

そして「月」は、季節の豆腐を使ってお月見の風景を表現した一品。
この日は、かぼちゃの胡麻豆腐が登場。表面を空に見立て、中央には月を表現したかぼすを添えています。
その上には、稲穂をイメージした細切りの万願寺唐辛子が。小さな器の中に、秋のお月見の風景が広がります。
なお、料理の内容は季節や仕入れ状況によって変わります。連泊する宿泊客にも変化を楽しんでもらえるよう、料理の一部を入れ替えているそうです。
丸福樓の朝食で味わう、出汁の風味と炊きたてのご飯

実際にいただくと、出汁の風味がしっかりと感じられる、丁寧な味わい。食材それぞれのおいしさも感じながら、一品ずついただきました。
担当者によると、料理に使う出汁やタレは一から仕込んでいるそう。海老の旨煮やさつまいもの甘露煮なども、手間をかけて仕上げています。

御膳には、旬の焼き魚も。この日は焼き鮭で、皮はパリッと、身はふんわり。炊きたてのご飯が進むおいしさでした。
焼き魚は鮭や鯖、鰆など、日によって変わるそうです。また、魚が苦手な方には、茄子の蒲焼きなど別の料理への変更も可能とのこと。ヴィーガン・ベジタリアンの方への対応も行っており、食事に関する希望がある場合は予約時にホテルへ相談できます。

ご飯のお供には、ちりめんじゃこ、梅ひじき、万願寺味噌の3種類が用意されていました。こちらも季節によって内容が変わるそうです。

そして、ご飯はおかわり自由。
炊きたてのご飯とともに、一品ずつ味わうひととき。朝からおいしい食事ができると、一日を気持ちよく始められるように感じます。
朝7時の利用はもちろん、10時以降ならブランチや少し早めの昼食として楽しめるのもうれしいポイントです。
なぜ花札? 丸福樓といとおかしが朝食に込めた思い
今回の新朝食を共同開発したのは、福岡発の株式会社いとおかしです。
朝食専門店を展開し、京都では町家を活用した京都 いとおかしも営業しています。
丸福樓を運営するPlan・Do・Seeといとおかしには、以前からイベントなどを通じて交流があり、その縁から今回の共同開発が実現。いとおかしの代表取締役・泊 信志さんらが料理開発に携わりました。
両者に共通していたのが、朝食そのものを旅の目的の一つにしたいという思いです。
花札を通じて、食事以上の体験を
そこで取り入れたのが、任天堂の歴史とつながる「花札」。

実は、朝食会場となっている倉庫棟は、かつて花札やトランプなどを保管していた場所だったそうです。

任天堂が花札の製造・販売から始まった企業であることは知られていますが、今、朝食をいただいている場所にも、そんな歴史が残っているとは。
そして、花札を取り入れたことは、お客さんとスタッフのコミュニケーションにもつながっています。

御膳と一緒に用意されているメニューカードには、今回の朝食に込められた思いや、各料理の紹介、花札の遊び方が記されています。

英語版も用意されており、海外からのお客さんにも料理や花札について知ってもらえるよう工夫されています。
さらに、スタッフが直接、絵柄や料理の背景を説明することも大切にしているそうです。
実際に蓋を一枚ずつめくり、料理を味わいながら説明を聞いていると、単に食事をいただくだけではない面白さがありました。
朝食そのものを旅の目的の一つにしたい。取材で伺ったその思いにも、自然と納得できる体験でした。
丸福樓の朝食は宿泊なしでも利用可能。会場までの道のりにも注目
丸福樓の新朝食は、宿泊者以外も予約できます。
朝食のみを利用する場合は、ホテル正面の入口から入館。スタッフの案内で朝食会場へ向かいます。
その途中に通るのが、安藤忠雄氏が手がけた廊下です。

鴨川をイメージした空間には、魚や鷺をモチーフにした装飾も。朝食会場へ向かう短い道のりでも、建築の一部に触れられます。


朝食会場は、建物の最も奥にある倉庫棟の1階。夜は天ぷら まるふくや夜泣き まるふくの営業にも使われる場所です。
朝食のみの利用者は館内を自由に見学できるわけではありませんが、食事会場までの道のりにも目を向けたくなります。
丸福樓の朝食|提供概要
- 施設名:丸福樓(まるふくろう)
- 住所:京都府京都市下京区正面通加茂川西入鍵屋町342
- 提供開始日:2026年10月15日(木)
- 料金:5,500円(税込)
- 朝食のみの予約時間:7:00/10:00/11:00/12:00/13:00
- 利用時間:予約時間から50分制
- 予約:事前予約制。宿泊者以外も利用可能
- アクセス:京阪本線「七条駅」から徒歩約6分/地下鉄烏丸線「五条駅」から徒歩約11分
- 公式サイト:丸福樓公式サイト
- 朝食予約:丸福樓の朝食予約(TableCheck)
※2026年10月30日時点。料理内容は季節や仕入れ状況によって変わります。席の指定はできず、宿泊者の利用状況によって案内に時間がかかる場合があります。
丸福樓へのアクセス

京阪本線「七条駅」から徒歩約6分、地下鉄烏丸線「五条駅」から徒歩約11分。
朝食のみの利用でもホテルの正面玄関から入館します。天ぷら まるふくや夜泣き まるふくで使用する別の入口とは異なります。
まとめ:丸福樓で、花札をめくる朝のひととき

丸福樓でいただいた新しい朝食は、料理のおいしさはもちろん、その背景を知ることでも楽しみが広がるものでした。
花札をめくり、季節の料理を味わう。そして、かつてこの場所が花札を保管する倉庫だったことを知る。
「朝食そのものを旅の目的にしたい」という思いにも、実際に体験して納得しました。
宿泊しなくても利用できるので、京都で朝からおいしいものを食べたい日にも。いつもとは少し違った朝の過ごし方ができそうです。
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※本記事は2026年10月28日の現地取材と公式発表をもとに作成しています。料理内容、料金、予約条件などは変更される場合があります。最新情報や詳細は公式サイトをご確認ください。
編集・文・写真:京都のいちばんち

