京都・祇園に2026年10月16日(金)、活ガニ料理専門店かにじぇんぬ 祇園がオープンしました。職人が目の前でカニを捌き、刺身や焼きガニなど多彩な料理に仕立てるお店です。
開業前日のメディア内覧・試食会では、11月の京都府産ズワイガニ漁解禁前に提供される「活ズワイガニ・活タラバガニと松茸の秋限定コース」の一部をいただきました。
かにじぇんぬ 祇園が京都初出店。路地奥に誕生した活ガニ料理専門店

東京・銀座や麻布十番、大阪、札幌、金沢などに展開する、かにじぇんぬ。京都初となる店舗が、祇園の路地奥に誕生しました。
運営するのは、国内で20店舗以上の飲食店を展開する株式会社QRAUDです。
お店の特徴は、生きたカニを職人が目の前で捌き、さまざまな料理に仕立てること。食べる際に自分で殻を剥く必要がなく、カニの身や味噌を使った料理をゆっくり味わえます。

店内は1階のカウンター6席と、2階の個室2部屋の全18席。
今回は1階のカウンターで、カニが一皿の料理になるまでの過程を見せていただきました。
BGMのない店内に響く、カニを捌く音

カウンターに運ばれてきたのは、大きなズワイガニ。
先ほどまで動いていたカニを、職人が目の前で捌いていきます。

足を外し、殻を割り、身を丁寧に取り出す。その手際を眺めていると、もう一つ気づいたことがありました。
店内にはBGMが流れていません。
パキッ、バリッ。カニの殻を割る音が、カウンターに響きます。
完成した料理だけでなく、その一皿ができあがるまでの時間を楽しめるのも、かにじぇんぬの特徴です。
そして、さっきまで生きていたカニを、これからいただく。
調理の様子を目の当たりにすると、食材の命をいただくことへのありがたさも感じます。
かにじぇんぬの実食レポート。調理法で変わるカニの味わい
今回の試食会では、秋限定コースから、カニ刺身や焼きガニ、カニ味噌を使った料理、コロッケなどをいただきました。
氷水で花開くカニ刺身。歯で引っ張るほどの弾力

まずいただいたのは、カニの刺身です。
殻から取り出した身を氷水にくぐらせると、繊維が花のようにふわりと広がります。
食べ方も少し変わっています。
カニの足の下側からかぶりつき、歯で身をぐっと引っ張るようにしていただきます。
これが、なかなか身が離れないほどの弾力。
口に入れると、ぷりっとした歯応えとともに、カニの甘みが感じられました。

添えられていたのは、紹興酒を使った特製ダレ。レモンや香味野菜などを合わせたものだそうです。
まずはそのまま、続いてタレをつけて。
カニの甘みを味わったあとに、タレによる風味の変化も楽しめました。
松茸と味わう焼きガニ、カニ味噌のしゃぶしゃぶ

続いては、焼きガニです。
10月16日の開業から11月の京都府産ズワイガニ漁解禁前までは、松茸を組み合わせた秋限定のコースが用意されています。

刺身ではしっかりとした弾力を感じたカニの身も、火を通すとふっくら。
焼いた香ばしさも加わり、同じカニとは思えないほど食感が変わります。
さらにいただいたのが、カニ味噌を使ったしゃぶしゃぶです。

弱火でじっくり温めたカニ味噌に、カニの身をくぐらせていただきます。
料理人によると、味付けはせず、カニ味噌そのものを生かした一皿とのこと。

濃厚な味噌が身に絡み、刺身や焼きガニとはまた異なる味わいです。
セコガニの身や卵が詰まったカニクリームコロッケ

小ぶりなカニクリームコロッケも登場しました。
使用しているのは、メスのズワイガニであるセコガニ。身だけでなく、濃厚な内子と、粒状の外子も使われています。
割ってみると、カニの身がぎっしり。
料理人によると、ベシャメルソースや野菜は最小限。ほとんどをカニの身で仕上げているそうです。
クリームのなめらかさだけでなく、カニの繊維をしっかり感じられる一品でした。
味付けも控えめで、カニの塩味と生クリーム、バターのコクを生かしているとのこと。
なお、今回の試食では、冬に確保したセコガニを使用していると説明がありました。
カニの心臓まで味わう。普段は出会えない食べ方も
今回、思いがけずいただいたのが、カニの心臓です。
カニの心臓は、甲羅の内側、背中側にある小さな部位。料理人が軽く茹でたものを出してくれました。

「まずはそのまま食べてみてください」と料理人。
柔らかな食感で、一般的なカニの身とはまったく異なる味わいです。
普段カニを食べるとき、心臓がどこにあるのかを意識することは、ほとんどありません。
目の前で捌く様子を見ていたからこそ、こうした部位まで味わえることにも新鮮な驚きがありました。
さらに、焼きガニに合わせて「カニ酒」もいただきました。

料理人によると、カニの甲羅を焼いて煮出し、香りを引き出したものだそうです。
口に運ぶ前から、ふわっとカニの香りが漂います。
おちょこにもこだわりがあり、寺田社長が海外などで買い求めた酒器から、好みのものを選べるそうです。

カニの身だけでなく、味噌や甲羅、心臓まで。
一杯のカニから、これほど多彩な食べ方が生まれることにも驚かされました。
祇園店限定のフカヒレ蟹あんかけ。締めは丹波産キヌヒカリと

コースの締めには、祇園店限定のご飯ものが登場しました。
気仙沼産のフカヒレに、カニの身と味噌を組み合わせた餡を、炊きたてのご飯と一緒にいただく料理です。

使用しているお米は、京都・丹波産のキヌヒカリ。
まずは、カニの身と味噌の旨みが詰まった餡をご飯にかけて。

フカヒレの食感とカニ味噌のコクが重なり、ご飯が進みます。
そして、ここからも楽しみが続きます。

この日は、北海道産イクラの醤油漬け、牛しぐれ煮、ちりめん山椒が用意されていました。
ご飯のおかわりも可能です。
カニの餡をかけたり、好みのお供をのせたり。どの組み合わせにするか迷いながら、ついご飯をおかわりしてしまいました。
お米そのものもおいしく、最後まで食事を楽しめる締めでした。
なお、ご飯のお供は季節や仕入れによって変わる場合があります。
11月からは間人ガニも。希望するカニを予約時に相談できる
今回いただいたのは、通常コースの一部です。
通常は先付けや八寸、カニ料理、締め、デザートなどを含む約11〜12品を提供するとのこと。内容はコースや仕入れ状況によって変わります。
カニは基本的に1人1杯を目安に使用。複数のカニを食べ比べるコースでは、種類の異なるカニを分け合っていただく形になります。
10月16日の開業から11月の京都府産ズワイガニ漁解禁前までは、活ズワイガニや活タラバガニと松茸を組み合わせたコースを用意。
11月の漁解禁後は、京都府産の間人ガニや福井県産の越前ガニなど、仕入れに応じたブランドガニを使用する予定です。
取材時に伺ったところ、「間人ガニを食べたい」といった希望がある場合も、予約時に相談できるそうです。
希望するカニの種類に応じて仕入れを調整し、価格はその時期の相場を踏まえて案内するとのこと。
間人ガニは天候によって漁に出られない日もあり、水揚げ状況が変わります。希望がある場合は、予約時に伝えておくとよさそうです。
個室でも目の前で調理。会食や記念日に利用できる18席

店内は1階のカウンター6席と、2階の個室2部屋。
個室は4名用と8名用で、いずれも個室料はかかりません。

個室には専用の調理設備があり、カウンターと同じように、職人が目の前でカニを捌いてくれます。
また、2階には1階のカウンターを通らずに向かえる入口も設けられています。
カウンターは4名から貸切にも対応可能とのこと。
記念日の食事や家族での集まり、会食など、利用する人数や目的に合わせて選べそうです。
食事の所要時間は約2時間。昼夜とも基本的には同じコースを提供し、完全予約制となっています。
寺田社長が語る「ファーストキス戦略」とは

運営する株式会社QRAUDの代表取締役・寺田幸宏氏は、カニを食べることそのものを、一つの体験として届けたいと話します。
取材の中で興味深かったのが、「ファーストキス戦略」という考え方です。
海外から日本を訪れる人にとって、カニを食べる機会は、旅行中に一度あるかどうかかもしれない。
その最初のカニ体験がかにじぇんぬであれば、記憶に残り、誰かに伝わっていく。
寺田氏は、そうした食の記憶を大切にしたいと話していました。
また、一般的なカニ料理にとどまらず、カニという食材と向き合いながら、新しい食べ方を考え続けているともいいます。
今回いただいたカニの心臓や、味噌を使ったさまざまな料理にも、その考え方が表れているように感じました。
かにじぇんぬ 祇園の店舗概要・アクセス
- 店名:かにじぇんぬ 祇園
- 開業日:2026年10月16日(金)
- 住所:京都府京都市東山区祇園町北側279-5
- 営業時間:昼12:00〜/夜18:00〜、20:30〜
- 定休日:不定休
- 席数:全18席(カウンター6席、4名用個室1室、8名用個室1室)
- 10月のコース料金:1名38,000円〜(税込・サービス料10%別)
- 11月の漁解禁後のコース料金:1名60,000円〜(税込・サービス料10%別)
- 利用人数:1名から相談可能(コースにより条件あり)
- 所要時間:約2時間
- 予約:完全予約制
- 電話番号:075-746-7555
- アクセス:京阪「祇園四条」駅から徒歩約6分/阪急「京都河原町」駅から徒歩約9分
- 公式Instagram:https://www.instagram.com/kani.gion/
- 予約サイト:https://www.tablecheck.com/ja/shops/canni-sienne-gion/reserve
※コース内容、使用するカニの種類、料金は漁期や仕入れ状況により変動します。1名での利用や希望するカニの指定は、事前に店舗へご相談ください。
まとめ:カニを味わう、その過程まで楽しむ祇園の新店

目の前でカニを捌く様子を眺め、殻を割る音に耳を傾ける。
刺身、焼きガニ、カニ味噌、コロッケと、同じ食材でも調理法によって異なる味わいに出会いました。
そして、先ほどまで生きていたカニをいただくことへのありがたさも、改めて感じた時間でした。
自分で殻を剥くことなく、さまざまなカニ料理をゆっくり楽しめる、かにじぇんぬ 祇園。
記念日の食事や会食など、カニ料理をじっくり味わいたいときの選択肢になりそうです。
京都の新店舗については、以下の記事もあわせてご覧ください。
※本記事は2026年10月15日のメディア内覧・試食会での取材と公式発表をもとにまとめています。試食した料理は通常コースの一部です。最新情報や詳細は公式サイトをご確認ください。
編集・文・写真:京都のいちばんち

