祇園祭の後祭(あとまつり)は、2026年は7月21日(火)から23日(木)が宵山、24日(金)午前9時30分から山鉾巡行が行われます。
巡行するのは橋弁慶山を先頭とする11基。烏丸御池を出発し、御池通・河原町通を経て四条通を西へ向かいます。
23基が巡行する前祭(さきまつり)に比べて規模は小さく、宵山に露店や歩行者天国もありませんが、そのぶん山鉾の装飾や会所飾りをゆっくり見られるのが後祭の特徴です。
この記事では、2026年の日程・巡行順・見どころをまとめました。
※画像は2025年の後祭で編集部が撮影したものです。
祇園祭の後祭とは 前祭との違いを知れば楽しみ方が変わる

後祭は、前祭のあとに行われる祇園祭後半の山鉾巡行です。巡行する山鉾は11基。前祭に比べると人出は緩やかな傾向で、山鉾をゆっくり見て回りやすいのが特徴です。
祇園祭の山鉾巡行は、7月17日の前祭と7月24日の後祭の2回に分かれています。これは神輿の動きに対応した本来の形です。八坂神社から四条寺町の御旅所へ神輿が渡る神幸祭が17日、御旅所から八坂神社へ戻る還幸祭が24日に行われ、山鉾巡行はそれぞれの神輿渡御に先立つものとして執り行われてきました。
1966年に前祭と後祭は17日にまとめて行われるようになりましたが、2014年に24日の後祭が復活し、本来の姿に戻りました。これに伴い、宵山も巡行も前祭と後祭でそれぞれ行われています。
前祭と後祭の違いは次のとおりです。
| 前祭 | 後祭 | |
|---|---|---|
| 宵山 | 7月14日〜16日 | 7月21日〜23日 |
| 山鉾巡行 | 7月17日 午前9時 四条烏丸発 | 7月24日 午前9時30分 烏丸御池発 |
| 山鉾の数 | 23基 | 11基 |
| 宵山の露店 | 7月15日・16日に出店 | 大規模な出店はなし(山鉾町や八坂神社周辺で小規模な出店が見られることはあります) |
| 宵山の交通規制 | 7月15日・16日は四条通・烏丸通の一部区間が歩行者天国(18時〜23時頃) | 歩行者天国の実施はなし。ただし一部の通りが18時〜22時に車両通行止め |
後祭の巡行ルートは前祭と逆回りです。烏丸御池から御池通を東へ進み、河原町通を南下して四条通を西へ向かいます。
▶︎ あわせて読みたい:祇園祭の神幸祭とは|7月17日夜、八坂神社から3基の神輿が渡る祭りの中心となる神事
後祭の宵山は7月21日から 駒形提灯と祇園囃子のなかを歩く3日間

後祭の宵山は7月21日(火)から23日(木)までの3日間です。日が落ちると、町家の軒先に駒形提灯が灯り、山鉾町の会所からは祇園囃子が聞こえてきます。
会所では厄除け粽(ちまき)やお守りが授与され、山鉾によっては御神体や懸装品(けそうひん)を間近で見られます。会所はおおむね午前中から夜まで開いていますが、公開時間は山鉾町によって異なります。目当ての山鉾がある場合は各保存会の告知を確認してください。

明るいうちは山鉾の装飾や会所飾りをじっくり見て、暗くなってから提灯の灯りを目当てに歩く。この2つを1日で回せるのが後祭の宵山です。山鉾の周辺には人が集まるため時間帯によっては混雑を感じますが、小さな子ども連れでも歩きやすい規模です。

宵山期間中は、山鉾町の旧家や老舗が所蔵の屏風を公開する「屏風祭」も行われます。2026年は杉本家住宅が7月21日から23日に一般公開されます。
なお、前祭の宵山で7月15日と16日に実施される歩行者天国と大規模な露店の出店は、後祭にはありません。一方で、山鉾が建つ通りには終日車両通行止めの区間があり、宵山の3日間は一部の通りが18時から22時まで車両通行止めになります。歩いて回る分には車を気にせず進めます。周辺で車を使う予定がある場合は、京都府警察の案内で規制区間を確認してください。
後祭の山鉾巡行は7月24日午前9時30分、烏丸御池を出発

後祭の山鉾巡行は7月24日(金)午前9時30分に烏丸御池を出発します。巡行順を確認する「くじ改め」は寺町御池で行われます。
京都市観光協会が示す通過時刻の目安は次のとおりです。
- 烏丸御池 9:30
- 河原町御池 10:00
- 四条河原町 10:40
- 四条烏丸 11:20
見どころのひとつが、交差点で山鉾の向きを変える「辻回し」です。車輪の下に青竹を敷き、水を撒いて滑らせながら数回に分けて直角に回します。後祭は前祭より観覧者が少ない傾向にあり、河原町御池や四条河原町の辻回しも比較的近くから見やすくなります。
御池通には京都市観光協会が有料観覧席を設けています。
後祭は烏丸通から高倉通の間と、寺町通から河原町通の間に設置され、一般席は最前列8,000円、2列目以降6,000円(いずれも税込・全席指定)です。
販売はチケットぴあおよびセブン-イレブン店頭で、詳細は京都観光Naviの有料観覧席ページで確認してください。
2026年 後祭の山鉾巡行順(11基)
2026年7月2日のくじ取り式で、後祭の巡行順は次のように決まりました。太字は毎年順番が決まっている「くじ取らず」です。
- 橋弁慶山(はしべんけいやま)
- 北観音山(きたかんのんやま)
- 鯉山(こいやま)
- 八幡山(はちまんやま)
- 浄妙山(じょうみょうやま)
- 南観音山(みなみかんのんやま)
- 鈴鹿山(すずかやま)
- 役行者山(えんのぎょうじゃやま)
- 黒主山(くろぬしやま)
- 鷹山(たかやま)
- 大船鉾(おおふねほこ)
くじ取らずの5基以外でくじを引く順番のうち、先頭にあたる「山一番」は鯉山でした。
▶︎ あわせて読みたい:祇園祭2026 山鉾巡行順が決定 前祭の山一番は郭巨山、後祭は鯉山
後祭の山鉾の見どころ 鷹山・大船鉾から役行者山まで注目の5基
後祭には11基の山鉾があります。なかでも復興の歴史や懸装品、神事などで特に注目したい5基を紹介します。

鷹山は、江戸時代の1826年の巡行を最後に休み山となっていた曳山で、2022年に196年ぶりに巡行へ復帰しました。祇園祭の山鉾のなかでもっとも新しく復興した1基です。

大船鉾は、幕末の1864年(元治元年)の禁門の変で焼失した後、2014年に150年ぶりに復興しました。後祭の最後尾(しんがり)を務めます。もとは北四条町と南四条町が1年交替で巡行を受け持ち、北の年は舳先に龍頭、南の年は金幣を掲げていました。龍頭は禁門の変で焼失しましたが2016年に復元され、以後は古例にならって龍頭と金幣を隔年で掲げています。復元初年の2016年が龍頭にあたるため、2026年は龍頭が舳先を飾る年です。

鯉山は、黄河の難所である龍門の滝を登りきった鯉が龍になったという故事に由来します。山の上で跳ねる鯉の姿を表し、前懸・胴懸・水引・見送は16世紀にベルギーのブラッセルで製作された1枚の毛綴(つづれ)を裁断して用いたもので、重要文化財に指定されています。
浄妙山は、平家物語の宇治川の合戦(1180年)が題材です。三井寺の僧兵・筒井浄妙が橋桁を渡って一番乗りをしようとしたところ、一来法師がその頭上を飛び越えて先陣を取ったという場面を、人形で表しています。宙に浮いた一来法師の人形は木片の楔だけで支えられており、間近で見ると造形の妙がよく分かります。
役行者山は、役行者・一言主神(ひとことぬしのかみ)・葛城神の3体を御神体として安置します。役行者が一言主神を使って葛城と大峰の間に橋をかけたという伝承にちなむ組み合わせです。宵山最終日の7月23日午後には、修験道の大本山・聖護院から山伏が訪れ、路上に設けた護摩壇で護摩焚供養が行われます。読経に続く山伏問答、東西南北と護摩壇・鬼門に矢を放つ所作を経て点火される、宵山でも異色の行事です。2026年は保存会が13時30分からの参加枠(30席・有料・事前申込)を設けています。定員に達し次第締め切られるため、参加を希望する場合は役行者山保存会の告知を確認してください。
7月24日は花傘巡行と還幸祭も行われる
7月24日は山鉾巡行と同じ日に、花傘巡行と還幸祭が行われます。
花傘巡行は午前9時30分に下京中学校成徳学舎を出発し、御旅所を経て八坂神社へ向かいます。花傘や馬長稚児、獅子舞、祇園甲部・宮川町などの芸妓による行列で、巡行後は八坂神社の舞殿で舞踊などが奉納されます。
夕方には還幸祭が行われます。17日の神幸祭から7日間、四条寺町の御旅所に奉安されていた3基の神輿が午後5時頃に出発し、氏子区域を巡って八坂神社へ戻ります。祭典は神輿が帰社した後に行われるため、境内で神事が営まれるのは夜遅い時間帯です。山鉾巡行の華やかさとは対照的な、祇園祭のもうひとつの姿を見られます。
祇園祭は7月31日まで続く 後祭以降の行事日程(2026年)
祇園祭は7月1日から31日までのひと月にわたる祭りです。後祭の巡行後にも神事が続きます。
| 日付 | 行事名 | 内容 |
|---|---|---|
| 7月24日(金)午前9時30分〜 | 後祭山鉾巡行 | 烏丸御池を出発、11基が巡行 |
| 7月24日(金)午前9時30分〜 | 花傘巡行 | 下京中学校成徳学舎〜御旅所〜八坂神社 |
| 7月24日(金)午後4時頃〜 | 還幸祭 | 3基の神輿が御旅所から八坂神社へ還御(神輿の出発は午後5時頃) |
| 7月25日(土)午前11時 | 狂言奉納 | 八坂神社 |
| 7月28日(火)午後8時頃〜 | 神輿洗 | 神輿を鴨川の水で清める神事。四条大橋 |
| 7月29日(水)午後4時 | 神事済奉告祭 | 神事の無事終了を奉告。八坂神社 |
| 7月31日(金)午前10時〜 | 疫神社夏越祭 | 茅の輪をくぐり厄除けを祈願。祇園祭の締めくくり |
開催概要(2026年)
- 宵山:2026年7月21日(火)〜23日(木)/各山鉾町(後祭の山鉾町)
- 山鉾巡行:2026年7月24日(金)午前9時30分〜/烏丸御池出発、御池通〜河原町通〜四条通
- くじ改め:寺町御池
- 観覧料:沿道での観覧は無料(有料観覧席は別途)
- アクセス(巡行出発地点):地下鉄烏丸線・東西線「烏丸御池駅」下車すぐ/宵山エリアは阪急京都線「烏丸駅」、地下鉄烏丸線「四条駅」からも徒歩圏
- 地図:烏丸御池交差点(Googleマップ)
- 交通規制:規制の詳細は京都府警察「祇園祭(後祭)に伴う臨時交通規制の御案内」(PDF)で確認できます
- 公式サイト:公益財団法人祇園祭山鉾連合会/京都観光Navi 祇園祭
※日程・時間は2026年7月20日時点の情報です。荒天時は変更となる場合があります。会所の公開時間は山鉾町により異なるため、各保存会の告知をご確認ください。
よくある質問
Q. 後祭に屋台は出ますか。
A. 前祭の宵山のような大規模な露店の出店や歩行者天国はありません。山鉾町や八坂神社周辺で小規模な出店が見られることはあります。
Q. 前祭と後祭はどちらが見やすいですか。
A. 後祭のほうが人出は緩やかな傾向です。ただし宵山は山鉾の周辺に人が集まるため、まったく混雑しないわけではありません。山鉾をゆっくり見たい場合や辻回しを近くで見たい場合は後祭が向きます。
Q. 後祭の山鉾は何基ですか。
A. 11基です。前祭の23基と合わせて34基が巡行します。
Q. 巡行は雨でも行われますか。
A. 山鉾巡行は雨天決行です。荒天の場合は変更の可能性があるため、当日は公式の発表を確認してください。
Q. 後祭の宵山は何時頃に行くとよいですか。
A. 駒形提灯に灯りが入る日没後が見どころです。明るいうちに山鉾の装飾を見て、暗くなってから提灯を見るという回り方もできます。
まとめ:後祭は山鉾をゆっくり見たい人に向く4日間
祇園祭の後祭は、11基の山鉾をゆっくり見て回りやすい4日間です。
人混みをできるだけ避けたい人、小さな子ども連れ、山鉾の装飾や由来をじっくり見たい人に向きます。
ベストなタイミングは、宵山なら提灯が灯る7月21日〜23日の日没後、巡行なら7月24日午前9時30分過ぎの烏丸御池から河原町御池にかけての区間です。
初めて祇園祭を訪れる人でも、前祭とは雰囲気の異なる祇園祭を味わえます。
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※本記事は公式情報および編集部が取材した情報をもとに構成しています。最新情報や詳細は公式サイトをご確認ください。京都観光の予定にあわせて、ぜひ参考にしてみてください。
編集・文・写真:京都のいちばんち

