祇園祭の名物といえば山鉾巡行や宵山の屋台ですが、“ちまき”もまた重要な存在です。
京都の家庭では、厄除けのお守りとしてこの時期に新しいちまきを授かり、玄関に吊るして飾る習慣があります。
2026年は前祭(7月13日〜16日)と後祭(7月20日〜23日)を中心に、各山鉾町の会所や授与所でちまきが授与されます。本記事では、ちまきの意味やご利益、買える場所、返納方法までまとめました。
祇園祭のちまきとは|食べられない「厄除けのお守り」
祇園祭のちまきは、笹で作られた「食べるちまき」ではなく、厄除けや疫病除けを願うお守りです。
その由来は、八坂神社の祭神・素戔嗚尊(すさのおのみこと)と「蘇民将来(そみんしょうらい)」の神話にあります。
旅の途中、素戔嗚尊を手厚くもてなした蘇民将来は、その子孫が疫病から守られるよう「茅の輪を身につけなさい」と教えられたと伝えられています。この故事が、祇園祭で授与される厄除けちまきの由来とされています。
現在では、「蘇民将来子孫也(そみんしょうらいのしそんなり)」と書かれた護符が付いたちまきを玄関に飾り、一年間の無病息災や家内安全を願うのが京都の夏の風物詩となっています。
祇園祭のちまきはどこで授かれる?
祇園祭のちまきは、各山鉾町の会所や授与所で授与されます。
2026年は、前祭が7月13日(月)〜16日(木)、後祭が7月20日(月)〜23日(木)を中心に授与が行われます。
また、八坂神社でも祇園祭にあわせて厄除けちまきを授与しています。
なお、山鉾によって授与開始日や受付時間が異なる場合があります。人気の山鉾では、予定数に達し次第終了することもあるため、早めの参拝がおすすめです。

前祭(7月13日〜16日)で授与される主なちまき
前祭では23基の山鉾が巡行し、多くの山鉾で厄除けちまきが授与されます。
主な山鉾は次のとおりです。
| 山鉾 | 主なご利益 |
|---|---|
| 長刀鉾 | 厄除け・疫病除け |
| 月鉾 | 厄除け |
| 菊水鉾 | 商売繁盛・不老長寿 |
| 函谷鉾 | 厄除け |
| 保昌山 | 縁結び・恋愛成就 |
| 占出山 | 安産 |
| 山伏山 | 疫病除け |
特に長刀鉾や保昌山、菊水鉾は毎年人気が高く、多くの参拝者が訪れます。
後祭(7月20日〜23日)で授与される主なちまき
後祭では11基の山鉾が巡行します。
前祭に比べて比較的ゆったりと山鉾巡りが楽しめるのも魅力です。
主な山鉾は次のとおりです。
| 山鉾 | 主なご利益 |
|---|---|
| 大船鉾 | 厄除け |
| 鯉山 | 開運・立身出世 |
| 黒主山 | 開運 |
| 八幡山 | 安産 |
| 鈴鹿山 | 厄除け |
| 役行者山 | 疫病除け・交通安全 |
| 鷹山 | 厄除け |
前祭と後祭では授与される山鉾が異なるため、両方巡ってお気に入りのちまきを授かる方も少なくありません。
山鉾ごとに異なるご利益|願いごとに合わせて選ぶ楽しみも

祇園祭のちまきは、「厄除け」だけでなく、それぞれの山鉾に伝わる由緒から異なるご利益があるとされています。
恋愛成就や商売繁盛、安産など、願いごとに合わせて授かる山鉾を選ぶのも祇園祭ならではの楽しみ方です。
| ご利益 | 山鉾 |
|---|---|
| 厄除け・疫病除け | 長刀鉾・月鉾・函谷鉾・大船鉾など |
| 縁結び | 保昌山 |
| 商売繁盛・不老長寿 | 菊水鉾 |
| 安産 | 占出山・八幡山 |
| 開運・立身出世 | 鯉山 |
| 交通安全 | 役行者山 |
※ご利益は各山鉾に伝わる由緒などをもとに紹介しています。
編集部が実際に授かったおすすめのちまき
長刀鉾|初めて授かるなら定番の一つ

祇園祭の先頭を巡行する長刀鉾は、祇園祭を代表する山鉾です。「お稚児さんの鉾」としても知られています。授与されるちまきは、金色の護符と赤い飾りが特徴。厄除け・疫病除けのご利益で知られ、初めてちまきを授かる方にも人気があります。
菊水鉾|商売繁盛を願う方に

菊の家紋があしらわれた美しいちまき。商売繁盛や不老長寿のご利益があり、拝観付きのちまき授与も人気。
編集部でも実際に授かりましたが、菊の紋が入った華やかなデザインも魅力です。
💡 京都のいちばんちメモ
編集部ではこれまで長刀鉾や菊水鉾のちまきを授かってきましたが、人気の山鉾は宵山初日から行列ができることもあります。
混雑を避けたい場合は、授与開始直後の午前中に訪れると比較的ゆっくり授かることができます。
祇園祭のちまきはどこに飾る?飾り方と飾る期間

授与されたちまきは、家の玄関や軒下に1年間吊るして飾るのが基本。吊るすことで、厄除けや疫病除けのご利益が家に入る前に働くと考えられています。
マンションなど外に飾れない場合は、玄関の内側の高い場所に吊るしてもよいとされています。
翌年、新しいちまきを授かったら古いものを神社や鉾町に返納して焚き上げしてもらいましょう。
祇園祭のちまきは通販でも授与が可能
遠方に住んでいる方や、祇園祭期間中に京都を訪れることが難しい方のために、一部の山鉾ではオンライン授与を実施しています。
2026年6月時点で公式に確認できるオンライン授与は次のとおりです。
| 山鉾 | オンライン授与 |
|---|---|
| 月鉾 | 〇(5月15日〜6月15日受付) |
| 鷹山 | 〇(7月1日〜7月31日受付) |
オンライン授与の実施状況や受付期間は毎年変更される場合があります。
最新情報は各保存会の公式サイトや公式オンラインショップをご確認ください。
昨年のちまきはどうする?返納方法とマナー

1年間飾ったちまきは、新しいちまきを授かったタイミングで返納するのが一般的です。
- 授与から1年経ったちまきは、祇園祭期間中に山鉾町で返納可能。鉾町前の「返納箱」などを利用。
- 遠方の方は、八坂神社をはじめ地元の神社に持参してもOK。
- 通常は焚き上げで供養される。
- 正月の初詣などに合わせて返納するのも一般的です。
- 返納時はビニール袋や装飾を外し、護符本体のみを納めるのが礼儀とされています。
❓ よくある質問(FAQ)
Q. 祇園祭のちまきはどこで授かれますか?
A. 各山鉾町の会所や授与所で授与されます。八坂神社でも祇園祭期間中に授与されています。
Q. 昨年のちまきはどう処分すればいいですか?
A. 山鉾町の返納箱、または八坂神社などで返納可能です。ビニールや飾りを外し、本体のみを納めるのがマナーです。
Q. ネット授与はどこでできますか?
A. 一部の山鉾では公式オンライン授与を実施しています。2026年は月鉾・鷹山で公式オンライン授与が確認されています。
Q. ちまきはどこに飾ればいいですか?
A. 家の玄関や軒下に1年間吊るして飾るのが一般的です。
まとめ:祇園祭のちまきは京都の夏を彩る厄除けのお守り
祇園祭のちまきは、単なる縁起物ではなく、京都の文化や信仰が詰まった“祇園祭のもうひとつの主役”。
山鉾ごとに異なるご利益や意匠があるため、「今年はどのちまきを授かろう」と巡るのも祇園祭ならではの楽しみ方です。
京都を訪れる予定の方は、山鉾巡りとあわせて、自分や家族の願いに合ったちまきを授かってみてはいかがでしょうか。

※本記事は公式発表・公開情報をもとに編集部が再構成しました。最新情報や詳細は各山鉾保存会・八坂神社の公式サイトをご確認ください。京都観光の予定にあわせて、ぜひ参考にしてみてください。
編集・文:京都のいちばんち

