京都市京セラ美術館で「浮世絵スーパークリエイター 歌川国芳展」が、2026年7月18日(土)から始まりました。
武者絵や戯画、美人画など約200点を6つのジャンルで紹介。展示の最後には、50点以上の作品をもとにした「KUNIYOSHI IMMERSIVE ART」も用意されています。
編集部が開催前日の内覧会を訪れました。歌川国芳展の見どころや楽しみ方をご紹介します。
[写真:展覧会入口またはメインビジュアル] キャプション案:「浮世絵スーパークリエイター 歌川国芳展」会場入口
歌川国芳展では約200点を6つの「幕」で紹介

歌川国芳は、江戸時代後期に活躍した浮世絵師です。
文政10年(1827)頃に発表した「通俗水滸伝豪傑百八人之一個(一人)」などの連作で人気を集め、“武者絵の国芳”と称されました。
一方で、国芳が手がけたジャンルは武者絵だけではありません。妖怪や美人画、役者絵、風景画、猫を描いた戯画など、多彩な作品を残しています。

親しみやすく伝えてくれる

本展では、その幅広い作風を映画や芝居に見立てた6つの「幕」で紹介。各展示には、作品の見るべきポイントを親しみやすい言葉で伝える解説が添えられています。
浮世絵に詳しくなくても、国芳の発想や作品に込められた仕掛けを堅苦しさなく楽しめそうです。

なお、会場内には写真撮影ができる場所と禁止されている場所があります。写真を撮る際は、各エリアの案内表示を確認してください。
第1幕「KUNIYOSHI’s アクション!」

第1幕で紹介されるのは、国芳の名を広めた武者絵です。
「宮本武蔵と巨鯨」や「讃岐院眷属をして為朝をすくふ図」など、3枚の浮世絵をつなげて大きな場面を描く「続絵」も展示されています。
画面を横断するように描かれた鯨や荒波からは、映画の一場面のような迫力が伝わります。
第2幕「KUNIYOSHI’s モンスター!」

第2幕には、怪物や妖怪を描いた作品が並びます。なかでも目を引くのが、大きな骸骨を描いた「相馬の古内裏」です。
公式資料によると、この骸骨には西洋の解剖図が参考にされたと考えられています。奇抜な発想だけでなく、骨格を描き分ける国芳の描写力にも注目です。
「源頼光公舘土蜘作妖怪図」では、多数の妖怪が画面を埋め尽くします。当時の幕府の政策を批判した作品ともいわれています。
第3幕「KUNIYOSHI’s ビューティー!」

第3幕では、町娘などを描いた美人画を紹介しています。
国芳の美人画は、人物の動作が大きく、健康的で爽やかな町娘が多く描かれていることが特徴です。
染物屋に生まれた国芳ならではの、細やかな着物の柄にも注目してみてください。
第4幕「KUNIYOSHI’s ハンサム!」

第4幕には、役者絵や侠客、男伊達を描いた作品が並びます。
役者絵を得意とした師匠・歌川豊国の才能を受け継ぎ、国芳も人物の表情や特徴を捉えた作品を数多く残しました。
武者絵で培った筆力を生かした、勇ましくも色気のある人物表現を楽しめます。
第5幕「KUNIYOSHI’s ヴィジョン!」

第5幕で紹介されるのは、江戸の町や名所を描いた風景画です。
国芳と同い年の歌川広重が情緒のある風景を描いたのに対し、国芳は西洋画の表現を学び、奥行きを感じさせる風景を描きました。
武者絵や戯画とは異なる、国芳の風景表現に触れられます。
第6幕「KUNIYOSHI’s アイデア!」

第6幕には、国芳の遊び心が表れた戯画が並びます。
人を集めて一人の顔に見せる「人かたまつて人になる」や、猫の姿を組み合わせて文字を表した「猫の当字 ふぐ」などを展示しています。
一見した印象と、細部を眺めたときの見え方が異なる作品も多く、国芳の発想の豊かさを感じられるエリアです。
猫好きも楽しめる歌川国芳展


国芳は、猫を愛した浮世絵師としても知られています。会場には、猫の姿や猫をモチーフにした意匠が随所に登場します。

第6幕では、「其まゝ地口猫飼好五十三疋」や「流行猫の戯 梅が枝無間の真似」など、さまざまな姿の猫を描いた作品を鑑賞できます。

第4幕に展示されていた「国芳もやう正札附現金男 野晒悟助」にも、猫を組み合わせた着物の文様が描かれています。

一見すると勇ましい人物を描いた作品ですが、着物の細部まで眺めると、国芳らしい遊び心が見つかります。
作品を順番に鑑賞するだけでなく、会場内で猫の姿や意匠を探してみるのも楽しみ方のひとつです。猫好きの方は、細部にも注目してみてはいかがでしょうか。
展示の最後に待つ「KUNIYOSHI IMMERSIVE ART」
6つの幕を巡った先に用意されているのが、「KUNIYOSHI IMMERSIVE ART(国芳 イマーシブアート)」です。
株式会社一旗がプロデュースする「動き出す浮世絵展」のスピンオフ作品として展開されています。
「宮本武蔵と巨鯨」や「相馬の古内裏」など、歌川国芳の作品50点以上を使用。3DCGアニメーションやプロジェクションマッピングによって、浮世絵の世界が立体映像空間に広がります。
会場で鑑賞してきた鯨や骸骨、猫たちが、大きな映像となって動き出すのも、展示の最後に用意されているからこその面白さです。
先に実物の作品を鑑賞していることで、静止した浮世絵が映像へと変化する様子をより深く楽しめました。気になった作品を映像のなかで探すのも、楽しみ方のひとつです。
文具からファッションアイテムまで充実のグッズ

展示を見終えたあとは、展覧会グッズを購入できます。
売り場には、歌川国芳の作品を生かした文具や紙もの、衣類などが豊富に並んでいました。
歌川国芳展 会場限定の公式図録

会場限定の公式図録は2,860円(税込)です。
展示作品に加え、国芳の魅力を掘り下げる解説やコラムも収録。鑑賞後に作品を振り返りながら、国芳の多彩な表現をより深く楽しめる一冊です。
このほか、会場限定グッズとして「展覧会オリジナル柄 京友禅 おふきpetit」(2,500円・税込)も販売されています。
マスキングテープやクリアファイルなどの文具


日常で使いやすいアイテムでは、マスキングテープやクリアファイルなどが販売されています。
国芳の作品を身近に取り入れられるため、展覧会の記念品やちょっとしたお土産にも選びやすそうです。
ポチ袋や京団扇、風呂敷などの和小物


ポチ袋や京団扇、風呂敷など、和の趣を感じる商品もそろいます。
いずれも国芳の作品を生かした図柄が目を引きます。小さな紙ものから存在感のある風呂敷まで、商品によって異なる作品の見せ方にも注目です。
Tシャツや足袋ソックスなどのファッションアイテム


Tシャツや足袋ソックスなど、身に着けて楽しめる商品も並びます。
足袋ソックスには、ミケやトラなど猫の毛柄を取り入れたデザインも。足元でさりげなく猫モチーフを楽しめます。
人気キャラクターとのコラボ商品も登場


スヌーピーやリラックマなど、人気キャラクターとのコラボ商品も販売されています。
国芳の浮世絵と親しみのあるキャラクターを組み合わせた、遊び心のあるグッズです。
グッズの在庫や販売状況は変わる場合があります。会場で最新情報をご確認ください。
※グッズ情報は2026年7月17日(金)の内覧会で確認した内容です。
「浮世絵スーパークリエイター 歌川国芳展」開催概要

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 展覧会名 | 浮世絵スーパークリエイター 歌川国芳展 |
| 会期 | 2026年7月18日(土)~9月23日(水・祝) |
| 開館時間 | 10:00~18:00 |
| 最終入場 | 17:30 |
| 休館日 | 月曜日。ただし7月20日(月・祝)、9月21日(月・祝)は開館 |
| 会場 | 京都市京セラ美術館 本館 北回廊1階 |
| 住所 | 京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124 |
| 当日料金 | 一般1,900円、高大生1,400円、小中学生700円 |
| 備考 | 未就学児無料。学生料金は学生証を提示 |
| 主催 | 関西テレビ放送、産経新聞社、京都新聞、京都市 |
| 企画協力 | アートワン |
| 公式サイト | 浮世絵スーパークリエイター 歌川国芳展 |
| 地図 | Googleマップ |
※障がい者手帳などを提示した本人と介護者1名は無料です。証明書をご持参ください。 ※料金や販売状況は2026年7月18日(土)時点です。
京都市京セラ美術館へのアクセス

最寄り駅は、地下鉄東西線の東山駅です。1番出口から徒歩約8分で到着します。
京阪三条駅、地下鉄三条京阪駅からは徒歩約16分です。市バスを利用する場合は、「岡崎公園 美術館・平安神宮前」で下車するとすぐです。
駐車台数には限りがあります。京都市京セラ美術館は、できるだけ公共交通機関の利用を呼びかけています。
詳しい経路は京都市京セラ美術館の交通アクセスをご確認ください。
「浮世絵スーパークリエイター 歌川国芳展」FAQ
Q. 歌川国芳展はいつまで開催されますか?
A. 2026年9月23日(水・祝)までです。月曜日は休館ですが、7月20日(月・祝)と9月21日(月・祝)は開館します。
Q. イマーシブアートは別料金ですか?
A. 展覧会内の展示のひとつです。通常の観覧券で鑑賞できます。
Q. 浮世絵に詳しくなくても楽しめますか?
A. 各展示に、見るべきポイントを伝える親しみやすい解説があります。作品の細部や仕掛けにも注目しながら巡れます。
Q. 子どもも観覧できますか?
A. 未就学児は無料です。小中学生の当日料金は700円(税込)です。待ち時間が加わります。
Q. 歌川国芳展の最寄り駅はどこですか?
A. 地下鉄東西線の東山駅です。1番出口から京都市京セラ美術館まで徒歩約8分です。
まとめ:歌川国芳の多彩な世界を作品と映像で楽しむ
「浮世絵スーパークリエイター 歌川国芳展」では、武者絵から妖怪、美人画、風景画、猫を描いた戯画まで、国芳の多彩な作品を鑑賞できます。
見るべきポイントを伝える親しみやすい解説もあり、浮世絵に詳しくない方でも巡りやすい展示です。
最後には、鑑賞してきた作品が動き出す「KUNIYOSHI IMMERSIVE ART」も登場します。夏の暑い日や雨の日に、屋内で楽しめる京都のおでかけ先として検討してみてはいかがでしょうか。
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※本記事は公式発表・公開情報と、内覧会での取材内容をもとに編集部が再構成しました。最新情報や詳細は公式サイトをご確認ください。
編集・文・写真:京都のいちばんち

