五条若宮陶器祭、五条坂の両側にテント 約140店のやきもの市を歩いてきた

五条若宮陶器祭でにぎわう五条坂とやきもののテント

五条若宮陶器祭が、2026年8月7日(金)から10日(月)まで京都・五条坂で開かれています。京焼・清水焼の産地に全国19都府県の窯元や陶芸家が集まり、器を見比べながら選べる4日間です。

今年は出店が全148店に増え、会場は五条通の南側へも広がりました。編集部は8月8日(土)の午後に会場を歩き、作家や窯元と言葉を交わしながら器を選んできました。

最終更新:2026年8月9日

目次

五条若宮陶器祭とは 五条坂で約100年続く夏の陶器市

五条若宮陶器祭でにぎわう五条坂、両側に並ぶやきもののテント
五条坂の両側に並ぶ「陶器祭」の幟とテントの列

五条坂の陶器市は、大正時代から約100年続く夏の風物詩です。コロナ禍で中断したのち、2023年に若手陶芸家らが「五条若宮陶器祭実行委員会」を立ち上げて復活させました。実行委員会によると、今年は復活後でいちばん大きな規模になります。

会場は、京焼・清水焼の産地である五条坂。五条通の大和大路から東大路までの区間にテントが並び、若宮八幡宮の境内もあわせて使われます。入場は無料です。

五条若宮陶器祭2026の見どころ 五条通の南側にもテント拡大

五条若宮陶器祭で五条通北側に並ぶやきもののテントと来場者
これまでも器が並んできた五条通北側のテント

公式サイトによると、今年の出店は全148店。内訳はテント出店120店、五条坂・茶わん坂周辺の店舗出店20店、飲食出店8店です。やきものの出店は昨年の約2倍に増えました。出店者の募集を京都府内から全国へ広げた結果、窯元や作家は京都府をはじめ岐阜・愛知・滋賀・大阪・兵庫など19都府県から集まりました。

五条若宮陶器祭で今年拡大した五条通南側のテント
今年新たにテントが並んだ、五条通の南側エリア

これまで会場は五条通の北側の歩道だけでしたが、今年は南側の歩道にもテントが並びました。編集部が歩いたときも、五条通をはさんで両側にテントが続き、行きと帰りで別の店を見て回れます。日傘をさした人が器を手に取り、通りは午後から多くの人でにぎわっていました。

五条若宮陶器祭のテントで作家と話しながら器を選ぶ来場者
作家と話しながら器を選ぶ来場者の姿も

京焼・清水焼を中心に、産地も作風もさまざまな器が一堂に並ぶのが陶器祭の魅力です。湯呑や皿を一つずつ手に取り、暮らしに合う一品を探せます。作り手が店先に立っていることも多く、器の使い方や特徴をその場で聞けるのも市ならではでした。

会期中は7店舗をめぐるスタンプラリーも行われています。スタンプがそろうと、陶器祭本部で京焼・清水焼の器と交換できます(各日先着50名、景品交換は8月10日20時まで)。

作家との出会いと、店舗の期間限定セール 黒札から30%引きも

テントでの作家との出会いが楽しい一方で、五条坂に並ぶ既存の陶器店も、陶器祭にあわせてお得な売り出しをしていました。店舗によっては、黒札の表示価格から30%引き、赤札はすでに割引済みといった期間限定の値づけが出ています。

編集部は、テントで丸皿を2枚、五条坂に直営店を構える窯元「昭阿弥」の店頭で、アウトレットになっていた清水焼のぐい呑みを2つ購入しました。昭阿弥は五条坂にゆかりを持つ京焼・清水焼の窯元で、お猪口やぐい呑みに施された繊細な染付や色絵、縁起の良い吉祥紋が特徴です。

常連組は早いタイミングで訪れる理由

昭阿弥の店頭で聞くと、初日がもっとも混むそうです。常連はこの時期に器が安くなることを知っていて、お目当ての作家や店舗の作品を求めて早いタイミングで訪れるといいます。掘り出し物を狙うなら、会期のはじめや開場まもない時間帯が狙い目かもしれません。

鬼より強い守り神「鍾馗さん」 会場で型抜き体験も

五条若宮陶器祭に並ぶ鍾馗さんと解説パネル
「鬼より強い守り神」鍾馗さん。会場では型抜き体験も開かれている。

会場では「鍾馗さん」を並べたブースも目を引きました。鍾馗さんは中国の民間信仰に伝わる人物で、日本では魔除けや学業成就にご利益があるとされます。京都では瓦でつくられた鍾馗さんを屋根に置く風習が知られ、親しみを込めて「鍾馗さん」と呼ばれてきました。

五条若宮陶器祭で購入した緑色の鍾馗さんの器
編集部が購入した手のひらにのる小さな緑色の鍾馗さん(右)

編集部は、この鬼より強い守り神として知られる緑色の小さな鍾馗さんを一つ買い求めました。会場では、石膏型で鍾馗さんをかたどる型抜き体験も行われています(会期中の各日17時から20時、参加費1,000円)。

若宮八幡宮は飲食エリアに 器選びの合間に一息

五条若宮陶器祭で飲食の屋台が並ぶ若宮八幡宮の参道と鳥居
若宮八幡宮の参道は飲食エリアに。器選びの合間に一息つける。

五条坂に立つ若宮八幡宮は、陶祖神をまつることから「陶器神社」とも呼ばれ、陶器業に携わる人々の信仰を集めてきました。会期中は、この若宮八幡宮の境内が飲食エリアになります。焼き鳥やからあげ、ラムネやビールなどの屋台が並び、器を見て回ったあとに喉を潤したり、小腹を満たしたりできました。暑い一日だったので、境内で一息つきながら回るのがちょうどよく感じます。

五条若宮陶器祭でお抹茶席を開く京町家、陶点睛かわさき
お抹茶席を開く京町家、陶点睛かわさきの店頭

境内以外でも、若宮八幡宮近くにある「陶点睛かわさき」では、お抹茶席(1人1,000円)を開き、お抹茶と和菓子を京町家の2階座席で堪能することができます。器選びの合間に京都らしい休憩を挟めます。

8日の夕方には、若宮八幡宮の大祭にあわせて、こどもたちが神輿を担ぐ「こども神輿」も行われました。18時頃に社務所前を出発し、夕暮れの五条坂を進みます。実行委員会は、陶器祭のなかでもとくに賑やかな時間としています。

五条若宮陶器祭は夜も開催 21時まで、暑さを避けて器選び

会場は毎日21時まで開いています。日が落ちると暑さがやわらぎ、テントの灯りのなかでゆっくり器を選べます。

五条若宮陶器祭で暑さ対策のため日中休業と16時開店を知らせる掲示
暑さ対策で日中は休み、16時から開ける出店者も

今年の京都は暑さが厳しく、編集部が訪れた昼過ぎには、暑さ対策で日中はいったん店を閉め、16時から開けるという出店者も見られました。すべての店をゆっくり見て回りたいなら、夕方以降の時間帯が動きやすそうです。

五条若宮陶器祭でテントが並ぶ坂道の五条坂
会場の五条坂はゆるやかな坂道。歩きやすい靴での来場がおすすめ。

会場は坂道です。歩きやすい靴で出かけると、端から端まで無理なく回れます。日中は日差しが強いため、帽子や飲み物を用意しておくと安心でしょう。夜の京都観光とあわせて立ち寄りやすい催しです。

五条若宮陶器祭2026の開催概要

  • 名称:五条若宮陶器祭
  • 会期:2026年8月7日(金)〜10日(月)
  • 時間:10:00〜21:00
  • 会場:京都・五条坂(五条通 大和大路〜東大路の南北の歩道と周辺店舗)、若宮八幡宮
  • 入場料:無料
  • 天候:雨天決行(荒天時は中止の場合あり)
  • 主催:五条若宮陶器祭実行委員会
  • アクセス:京阪電車「清水五条」駅から徒歩5分/京都市バス・京阪バス「五条坂」バス停すぐ
  • 公式サイトhttps://toukimatsuri.com/

よくある質問(FAQ)

Q.入場料はかかりますか。
A.入場は無料です。器や飲食の購入は各店での支払いになります。

Q.いつ行くのがおすすめですか。
A.毎日10時から21時までの開催です。掘り出し物を狙うなら会期のはじめや開場まもない時間、暑さを避けたいなら日が落ちてからの時間帯が過ごしやすくなります。

Q.お得に買えますか。
A.店舗によっては期間限定のセールやアウトレット品の販売があります。編集部が訪れた店では、黒札の表示価格から30%引きといった値づけも見られました。

Q.雨でも開催しますか。
A.雨天決行です。ただし荒天の場合は中止となることがあります。

Q.車で行けますか
A.専用駐車場の案内は出ていません。会場周辺は混雑するため、京阪「清水五条」駅や市バス「五条坂」バス停からの公共交通機関が便利です。

まとめ:器と作り手に出会いに、五条坂へ

五条若宮陶器祭は、京焼・清水焼の産地で全国の器と作り手に出会える夏の陶器市です。今年は会場が五条通の南側まで広がり、復活後では最大規模となりました。

作家との会話や店舗のセール、鍾馗さんの型抜きや境内の飲食など、器選び以外の楽しみも多く見つかりました。歩いて選んだ一品は、家に持ち帰ってからも京都の夏を思い出させてくれそうです。


※本記事は編集部が実際に訪れて取材・体験した内容をもとに構成しています。最新情報や詳細は公式サイトをご確認ください。

編集・文・写真:京都のいちばんち

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