夏の京都を訪れるなら、一度は体験してほしいのが祇園祭。
1000年以上の歴史を持ち、1ヶ月以上にわたって街全体が祭一色に染まる、日本三大祭のひとつです。
なかでも、7月17日（木）の「山鉾巡行」はまさにクライマックス。
本記事では、京都に暮らす編集部が、祇園祭を彩る代表的な鉾の魅力を、シリーズで順次ご紹介していきます。
第1弾として取り上げるのは、巡行の先頭を進む長刀鉾（なぎなたほこ）。
生稚児（いきちご）が乗り、しめ縄を切って巡行を始めるその姿は、地元民にとっても特別な瞬間です。
初めての方も、久しぶりの方も——
今年の夏はぜひ、“祇園祭の顔”とも言われる鉾たちに会いに来てください。
祇園祭2025｜山鉾巡行の日程スケジュール
2025年の祇園祭は、例年通り7月1日（火）から31日（木）まで開催されます。中でも注目されるのが、以下の山鉾巡行の日程です。
- 前祭 山鉾巡行：2025年7月17日（木） 9:00〜
出発：四条烏丸 (9:00)→河原町四条（9:35）→河原町御池 (10:20)→新町御池(11:20) - 後祭 山鉾巡行：2025年7月24日（木） 9:30〜
出発：烏丸御池 (9:30)→河原町御池（10:00）→四条河原町 (10:40)→四条烏丸(11:20)
このうち、長刀鉾は前祭の先頭鉾として登場します。（以降の巡行順は決まり次第お知らせします。）
このあとご紹介する歴史や見どころを押さえて、より深く楽しんでみてください！
1. 長刀鉾とは？その歴史と由来
長刀鉾は、祇園祭の前祭（さきまつり）で巡行する山鉾の一つで、唯一「生稚児（いきちご）」が乗ることで知られています。長刀鉾の名前の由来は、鉾頭に取り付けられた長刀（なぎなた）にあります。この長刀は、疫病退散の象徴とされ、町を清める役割を担っています。
長刀鉾の歴史は古く、室町時代以前から続いており、現在もその伝統が受け継がれています。
2. 見どころ＆他の鉾との違い
長刀鉾の最大の特徴は、生稚児（いきちご）が乗る唯一の鉾であること。
巡行当日には、稚児が鉾の上から注連縄（しめなわ）を太刀で切り、巡行のスタートを告げる“しめ縄切り”の儀式が行われます。
ただしこの儀式は、古来から連綿と続いてきたものではなく、昭和中期に復活・定着した比較的新しい形式です。とはいえ、祭りの始まりを厳かに告げるこの瞬間は、今や祇園祭に欠かせない見どころのひとつとなっています。
また、鉾頭に取り付けられた長刀は、疫病退散の象徴とされ、京都の街を清める役割を担ってきました。
さらに、「なぎなた囃子」と呼ばれる独自の祇園囃子も特徴で、鉾の進行とともに響く音色が、祭りの高揚感を一層引き立てます。
3. 宵山期間の楽しみ方【7月14日(月)〜16日(水)】
宵山期間中は、長刀鉾の組み立て（鉾建て）や試し曳き（曳き初め）が行われ、見学することができます。また、長刀鉾保存会の会所では、御朱印や限定グッズの販売も行われます。
夜には、鉾に取り付けられた提灯が灯され、幻想的な雰囲気に包まれます。写真映えするスポットとしても人気です。
4. 山鉾巡行の日程とルート【7月17日(木)】
山鉾巡行（前祭）は、2025年7月17日（木）に行われます。長刀鉾は、午前9時に四条烏丸を出発し、四条通、河原町通、御池通を巡行します。巡行の見どころは、四条河原町や河原町御池での「辻回し」です。
混雑を避けるためには、巡行ルートの後半や、御池通の観覧席を利用するのがおすすめです。
有料観覧席についてはこちら
5. 長刀鉾をもっと楽しむTips
- 子ども連れや外国人観光客向けの見どころ：稚児の衣装や、鉾の装飾など、視覚的に楽しめる要素が多くあります。
- おすすめの周辺カフェ＆涼スポット：巡行ルート周辺には、休憩できるカフェや、涼を感じられるスポットも点在しています。事前にチェックしておくと便利です。
まとめ
長刀鉾は、祇園祭の象徴的存在であり、その歴史や伝統、見どころは多岐にわたります。
巡行本番だけでなく、宵山期間から楽しむことで、より深く祇園祭を体感することができます。
2025年の祇園祭では、ぜひ長刀鉾の魅力を堪能してください。
祇園祭2025の「山鉾ガイド」シリーズでは、長刀鉾を皮切りに、函谷鉾・月鉾・菊水鉾など、注目の鉾を順次ご紹介していきます。気になる鉾があれば、ぜひチェックしてみてください！
※本記事の情報は、祇園祭山鉾連合会の公式資料や、各鉾保存会の公開情報を基に作成しています。最新の詳細は公式サイトや現地の案内をご確認ください。
