喧騒から少し離れて、祇園祭の深みへ。2025年「後祭」の魅力と楽しみ方

京都の夏を象徴する祇園祭。

そのなかで、静けさと趣を湛えるもうひとつの顔が「後祭(あとまつり)」です。

大迫力の前祭に比べて規模は控えめですが、そのぶんゆったりと、山鉾や町の佇まいに目を向けることができます。

この記事では、2025年の最新情報とともに、後祭ならではの楽しみ方をご紹介します。

目次

宵山(7/21〜7/23)|提灯と祇園囃子に包まれる、静寂の夕べ

後祭の宵山は、前祭に比べて大規模な屋台出店や歩行者天国の実施はありません。

その分、町家の軒先に並ぶ駒形提灯や、山鉾会所に響く祇園囃子が、しっとりとした京都の夜を演出します。

開催概要(2025年)

  • 期間:2025年7月21日(月)〜23日(水)
  • 時間:各山鉾町の会所公開は概ね17:00〜22:00頃(鉾により異なります)
  • 交通規制:宵山期間中は歩行者天国は実施されませんが、24日(巡行日)には巡行ルート周辺で交通規制があります
  • 屋台出店:大規模な出店はありませんが、一部山鉾町や八坂神社周辺で小規模な出店がみられることもあります

静かな雰囲気の中で山鉾の装飾や会所飾りをじっくり観覧できるのが、後祭宵山の特徴です。

山鉾巡行(7/24 午前9:30〜)|11基前後の個性が光る、美の競演

橋弁慶山を先頭に、大船鉾まで11基前後の山鉾が巡行する後祭。それぞれが独自のモチーフや装飾を持ち、「動く美術館」と称されるにふさわしい優美さが魅力です。

たとえば、鯉山は登龍門の伝説に基づいた力強い構図、浄妙山は武士の一瞬の命のやりとりを描いた躍動感ある人形飾りなど、それぞれの背景にある物語にも注目です。

巡行の見どころである「辻回し」も、後祭は比較的混雑が少ないため、間近で見学しやすい傾向があります。

後祭ならではの静かな楽しみ方

後祭は、比較的人出が落ち着いているため、山鉾の造形や歴史的背景にじっくり向き合えるのが魅力です。

  • 会所では、町の方との会話を通して地元の視点を知ることも
  • 山鉾の装飾や御神体をゆっくり観覧・撮影しやすい
  • 宵山の夜に、静かな提灯の灯りを見上げながら歩く時間が特別

賑やかな前祭とは異なる、祇園祭のもう一つの魅力に気づける数日間です。

祇園祭は7月いっぱいまで続きます|後祭以降の行事一覧(2025)

祇園祭は7月1日〜31日まで続く長期のお祭り。後祭の巡行のあとにも、神事や伝統行事が続きます。

日付行事名内容
7月24日(木)還幸祭(かんこうさい)三基の神輿が氏子地域を巡行し、八坂神社へ還御
7月28日(月)神用水清祓式神輿洗式に先立ち、鴨川の水を汲む神事
7月29日(火)神輿洗式(みこしあらい)神輿を鴨川で清める神事。夜に四条大橋を通過
7月31日(木)疫神社夏越祭(なごしさい)厄除けを祈願する神事。祇園祭の締めくくり

▶︎ 参考:八坂神社「祇園祭の神事・行事」

まとめ|京都の夏を、静かに味わうひととき

祇園祭とひとことで言っても、その楽しみ方は人それぞれ。華やかな前祭に心躍らせるのもよし、落ち着いた後祭でゆったりと町を歩くのもまた一興。

「京都のいちばんち」では、そんな“奥行きある京都の魅力”をこれからも丁寧にお届けしていきます。2025年の祇園祭、ぜひ後祭にも足を運んでみてください。

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