京都の夏を彩る祇園祭。中でも「月鉾(つきほこ)」は、豪華絢爛な装飾でひときわ目を引く存在です。毎年巡行前から多くの人が足を止めて見上げ、ため息をもらすほどの美しさを誇ります。
この記事では、地元メディアの視点から「月鉾」の魅力を深掘り。
2025年の巡行日程、見どころ、アクセス、そして鑑賞のコツまでご紹介します!
月鉾とは?— 金と月が織りなす幻想の世界

月鉾は、四条通新町東入ルに位置する鉾町「月鉾町」によって守られてきた山鉾です。
その名の通り、鉾頭には三日月の意匠が掲げられており、幻想的で優美な姿が特徴です。
装飾には豪華な金箔や、17世紀インド・ムガル朝の絨毯が用いられ、「動く美術館」とも呼ばれます。内部には円山派による絵画などもあり、まさにアートと伝統の融合が感じられます。
月鉾の見どころ3選
① 三日月形の鉾頭

鉾の先端に輝く金色の三日月。これは、かつての都人が月を愛でた感性を象徴しているとも言われています。
② 豪華な懸装品(けそうひん)

月鉾の装飾品の中でも特に目を引くのが、17世紀インド・ムガル王朝時代のメダリオン絨毯を用いた前懸と、金地に描かれた円山派による見送り幕です。細部にまでこだわった意匠は、まさに「動く美術館」と呼ぶにふさわしい美しさを誇ります。
③ 鉾内部の乗り込み見学(宵山期間)

宵山(2025年7月14日〜16日)には、鉾に上がることも可能。内部の装飾や御神体を見る貴重な機会となります。
2025年の巡行スケジュールとアクセス
- 前祭 山鉾巡行日:2025年7月17日(木)
- 巡行スタート地点:四条烏丸
- 月鉾の巡行順:毎年7月2日の『くじ取り式』で決定されます。2025年の順番は開催直前に発表されます。
🔸 アクセス
- 地下鉄烏丸線「四条駅」下車すぐ
- 阪急京都線「烏丸駅」下車すぐ
※宵山期間中は交通規制がありますので、公共交通機関のご利用がおすすめです。
鑑賞のコツとおすすめ撮影スポット
- 早朝の四条通(7/17):人が少なく、美しい月鉾を撮影可能。
- 四条通 × 新町通の交差点付近:迫力ある「辻回し」が見られます。河原町通や御池通との交差点も有名な見どころです。

また、月鉾は夜間ライトアップされることもあり、夕暮れ〜夜にかけての鑑賞もおすすめです。

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まとめ|月鉾を見て、京都の美意識にふれるひとときを
祇園祭の中でも、とりわけ“美しさ”において異彩を放つ月鉾。その装飾は時代を超えた芸術であり、京都人の感性が息づいています。
2025年の夏は、月鉾を通して祇園祭の奥深さにふれてみてください。初めて訪れる方も、リピーターも、その魅力にきっと引き込まれるはずです。
※本記事の情報は、祇園祭山鉾連合会の公式資料や、各鉾保存会の公開情報を基に作成しています。最新の詳細は公式サイトや現地の案内をご確認ください。