今宮神社の参道に並ぶ二軒の老舗あぶり餅店、「あぶり餅 一和(一文字屋 和輔)」と「あぶり餅 本家 根元 かざりや」。
そのうち創業400年以上の歴史をもつ「あぶり餅 本家 根元 かざりや」を実際に訪れました。
2025年注目の映画『国宝』のお練りシーンにも登場した今宮神社の参道で、京都らしい素朴な甘みと香ばしさを味わってきました。
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京都・今宮神社の名物「あぶり餅」とは

京都・今宮神社の門前でのみ味わえる名物「あぶり餅」は、平安時代から続くと伝えられる厄除けの縁起物。 竹串に親指大の餅を刺して炭火でこんがりとあぶり、白味噌の甘だれをたっぷり絡めていただく京都ならではの和菓子です。
門前の東側には、向かい合うように二軒の老舗茶店が店を構え、それぞれが代々受け継いだ製法で、趣の異なるあぶり餅を提供しています。
あぶり餅の特徴
- 厄除けの縁起物:竹串は神前に供えられる「斎串(いぐし)」をかたどったものと伝えられ、病気平癒や厄除けのご利益があるとされています。
- 素朴な味わい:炭火で香ばしく炙られた餅に、甘じょっぱい白味噌だれと、きな粉の香りが絶妙に調和。素朴ながらも奥深い味わいです。
- 出来たてが一番:持ち帰りも可能ですが、炭火の香りをまとった出来たてを店先でいただくのが一番の醍醐味。
向かい合う二軒の老舗|一和とかざりや

今宮神社の東門前には、長い歴史を誇る二軒の老舗が向かい合うように店を構えています。どちらも地元の人々に愛され続けており、味や雰囲気にはそれぞれの個性があります。
- あぶり餅 一和(一文字屋 和輔):創業は平安時代・長保年間(1000年頃)と伝えられ、日本最古の和菓子屋ともいわれています。コシのあるお餅に強めのおこげ、やや塩気の効いたたれが特徴。どことなくぬれ煎餅のような香ばしさが楽しめます。
- 本家 根元 かざりや:創業は江戸時代初期の慶長年間(17世紀初頭)とされ、「一和」に比べてやや甘めの白味噌だれが印象的。柔らかく膨らむお餅を上品に仕上げています。
今宮神社を参拝した後、二軒のあぶり餅を食べ比べてみるのもおすすめ。どちらの店も、歴史を感じさせる町家風の店構えで、京都ならではの情緒を存分に味わうことができます。
今回訪れたのは、代々女性が受け継ぐ「あぶり餅 本家 根元 かざりや」

今宮神社の参道に並ぶ二軒のあぶり餅店のうち、今回実際に訪れたのは「あぶり餅 本家 根元 かざりや」。
江戸時代初期・慶長年間(17世紀初頭)に創業し、代々女性が一子相伝で味を受け継いできた老舗です。
お餅を手でちぎり、きな粉をまぶして竹串に刺し、備長炭でじっくりとあぶる——参道はその香ばしい匂いに包まれます。
焼き上がったお餅に、京都の白味噌をベースにした秘伝のたれを絡めると、ほっとするような優しい甘みがふわっと広がり、どこか懐かしい味わいに。
長い年月をかけて受け継がれてきたこの素朴な味は、今も変わらず、地元の人々や参拝客に愛されています。
焼きたてのあぶり餅を実際に味わってみると、その素朴な見た目からは想像できない奥深さがありました。次に、実食レポートとしてその味わいを詳しく紹介します。
実食レポート|炭火の香りと白味噌の甘みが絶妙

店頭で焼かれる小さな餅がふっくらと膨らみ、炭火の香りが参道に漂います。お店に入る前から期待が高まる、香ばしい匂いです。
メニューは「あぶり餅」のみで、1人前600円。
実際にいただいてみると、外は香ばしく中はやわらか。白味噌だれのまろやかな甘みとおこげの風味が重なり、絶妙な甘じょっぱさが後を引きます。
一緒についてくるお茶との相性も抜群で、店内のレトロな雰囲気も相まって、どこか懐かしさを感じる——まさに京都らしい、素朴でやさしいおやつでした。
訪れたのは10月の三連休最終日。秋の空気が漂い始めた境内には参拝客が絶えず、それでも多すぎることはなく、穏やかで静かな時間が流れていました。
アクセス情報
あぶり餅 本家 根元 かざりや

- 住所:京都府京都市北区紫野今宮町96
- アクセス:京都市営バス46系統「今宮神社前」から歩いて3分
- 営業時間:10:00〜17:00
- 定休日:水曜(※臨時休業の場合あり)
- 駐車場:今宮神社参拝者用駐車場あり
あぶり餅 一和(一文字屋 和輔)

- 住所:京都府京都市北区紫野今宮町69
- アクセス:京都市営バス46系統「今宮神社前」から歩いて3分
- 営業時間:10:00〜17:00
- 定休日:水曜(※臨時休業の場合あり)
- 駐車場:今宮神社参拝者用駐車場あり
まとめ|映画『国宝』ロケ地としても注目の今宮神社で味わう、古都の味わい

炭炭火の香りと白味噌のやさしい甘さに包まれる——。
ここ今宮神社の門前には、変わらぬ京の原風景が息づいています。
国宝級の文化財を擁する名社として知られる今宮神社は、映画『国宝』のロケ地としても注目を集める場所。
参拝や聖地巡礼の合間に、ぜひ「あぶり餅 本家 根元 かざりや」で、受け継がれてきた味と手仕事のぬくもりを感じてみてください。
今回は「かざりや」でゆったり味わいましたが、次は向かいの「一和」にも足を運びたいところ。
二軒を食べ比べることで、香り・食感・たれの違いをより深く楽しめます。
ハシゴ酒ならぬ“ハシゴ餅”を楽しむ人も多い今宮神社の参道。
どちらのお店にも立ち寄って、古都・京都ならではの味わいと時間をゆっくりと堪能してみてください。

※本記事は編集部が実際に訪問・体験した内容をもとに紹介しています。最新情報や詳細は公式サイトをご確認ください。京都観光の予定にあわせて、ぜひ参考にしてみてください。
文・編集・撮影:京都のいちばんち