2025年京都・五山送り火とは?見どころと鑑賞方法まとめ

京都の夏を締めくくる、祈りと静寂の炎

京都の夏の風物詩として広く知られる「五山送り火(ごさんのおくりび)」。
毎年8月16日の夜、京都市内の五つの山に火が灯り、夜空に「大」や「鳥居」などの火文字が浮かび上がります。

この記事では、その意味や歴史、2025年の最新スケジュール、鑑賞スポットからマナーまで、初めての方でも安心して楽しめる情報をまとめました。

目次

五山送り火とは?

“精霊送り”の伝統行事

五山送り火は、お盆に迎えたご先祖の霊を再びあの世へ送り出す「精霊送り」として行われる、京都の伝統行事です。
8月16日、夜の闇に浮かぶ火文字には、鎮魂と感謝の思いが込められています。

この送り火の起源については明確な記録はなく、平安時代・室町時代・江戸時代の諸説が存在します。
最も古い「大文字」については、空海(弘法大師)や足利義政、近衛信尹などの関与が言い伝えられていますが、いずれも確証はなく、現在の「五山」が定着したのは江戸時代中期とされています。

2025年 五山送り火のスケジュールと火床一覧

2025年は、8月16日(土)20:00〜20:20にかけて、以下の順に各山へ点火されます。

火文字山名(場所)点火時刻
大文字如意ヶ嶽(東山)20:00
妙・法松ヶ崎西山・東山20:05
舟形西賀茂船山20:10
左大文字大北山(衣笠)20:15
鳥居形嵯峨曼荼羅山20:20
  • 各火は約30分間燃焼し、雨天決行。荒天時は縮小・中止される場合もあります。
  • 点火の様子は、五山それぞれが主催する保存会によって管理・実施されます。

鑑賞スタイルはさまざま

鴨川沿い?ホテルラウンジ?山の麓?

1. 鴨川・賀茂川沿いでのんびり

三条〜出町柳エリアの河原では、「大文字」「妙・法」「舟形」のいずれかが見られる絶景スポット。
特に出町柳の鴨川デルタは、ファミリーやカップルにも人気です。

  • レジャーシート持参でピクニック気分
  • 混雑を避けるには18時頃の到着が安心

2. 高層ホテルやラウンジでゆったり

視界が限られることもありますが、ニデック京都タワーや高層ホテルのラウンジでは、涼しい室内から送り火を鑑賞可能。

  • 〈例〉【ホテルオークラ京都】【京都タワーホテル】【ホテルモントレ京都】など
  • 一部施設は有料観賞会プランあり(事前予約制)

※施設によって見える火床が異なるため、「五山すべてが見える」とは限りません。

3. 山のふもとから近くで感じる

  • 北白川エリア(大文字):火床の近くに位置し、迫力を感じられる
  • 松ヶ崎(妙・法):町全体が行事ムードに包まれる

※点火当日は、火床付近や登山道への立ち入りは禁止されています。安全のため、公式情報を必ず確認しましょう

あわせて読みたい
京都 五山送り火 2025|どこで見る?ホテル鑑賞&穴場スポット 京都の夏を代表する伝統行事「五山送り火」は、2025年も8月16日に開催されます。 毎年「どこで見るのがベストか?」という話題が尽きないこのイベント。 2025年の京都で...

護摩木奉納もおすすめ

願いを書いて、送り火とともに天へ

「護摩木(ごまぎ)」とは、願い事や故人へのメッセージを書き込む木札のこと。
奉納された護摩木は、送り火当日に火床で焚き上げられ、願いが炎と共に天へ届けられます。

  • 【奉納場所】銀閣寺門前・松ヶ崎駅周辺など
  • 【受付期間】8月上旬〜15日(山により異なる)
  • 【祈願内容】家内安全、無病息災、合格祈願など自由

観光での参加でも、静かに祈りを捧げる時間として心に残る体験です。

マナーと注意点

伝統を守るために知っておきたいこと

五山送り火は宗教的・伝統的な行事です。楽しく過ごすためにも、以下の点を守りましょう。

  • ゴミは必ず持ち帰りましょう(ゴミ箱の設置はほとんどありません)
  • 鑑賞中の大声や場所取り用のシート放置はNG
  • 登山や火床付近への立ち入りは厳禁(当日中は制限エリアが多数あり)
  • 混雑や交通規制に備えて、公共交通機関の利用を推奨します

編集部おすすめ!穴場鑑賞スポット3選

■ 吉田山山頂(左京区)

木々の間から「大文字」「左大文字」が見えるビューポイント。登山口から30分ほどでアクセス可能。
※点火当日は暗いため、日没前に下山を推奨

■ 鴨川デルタ(出町柳)

芝生に腰を下ろしてのんびり過ごせるスポット。3つの火床が同時に見られる貴重な場所でもあります。

■ 京都府庁旧本館テラス(ふるさと納税返礼特典)

特別鑑賞会が開かれる年もあり、喧騒から離れて静かに送り火を楽しめる“知る人ぞ知る”鑑賞体験。
※寄附者限定・事前申込制

まとめ:京都の夜空に、祈りの灯を浮かべて

五山送り火は、華やかなイベントではなく、静かで厳かな“送り”の儀式
ふと空を見上げると、山に浮かぶ火文字が、目には見えないつながりを思い出させてくれます。

京都を旅する人も、移り住んだばかりの人も、この一夜を通して京都の“心”にふれてみてください。
きっとまた、来年もこの灯を見に戻ってきたくなるはずです。


【参考リンク・出典】
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次