京都・祇園に、京漬物と洋酒を組み合わせた新しい体験スポットが誕生しました。
2025年11月13日(木)、BARチェーン「お酒の美術館」と「京つけもの もり」のコラボ店舗
「お酒の美術館 京つけもの もり 祇園店」がオープン。
“漬物を味わいながらお酒を楽しむ”という京都ならではの発想を、編集部が実際に取材しました。
「京つけもの もり」の提案から始まった、伝統×洋酒の新しい挑戦

今回のコラボレーションは、「京漬物の新しい楽しみ方を提案したい」という京つけもの もり側の強い想いがきっかけでした。
BARブランド「お酒の美術館」を運営する株式会社NBG(以下、NBG)は、京都発祥のブランドとして全国に展開しながら、
“地元・京都の食文化を現代の感性で届けたい”と考えていたといいます。
NBGの担当者は今回の取り組みについて次のように話します。
「漬物はウイスキーなど洋酒のおつまみとしては、これまであまり一般的ではありませんでした。
しかし、このコラボ店舗から“洋酒と漬物のペアリング”を提案することで、
洋酒そのものの新しい可能性を広げられるのではないかと感じています。」
京都の伝統食を、世界中で楽しまれる洋酒と合わせることで、新しい味覚体験を生み出すことを目指しています。
限定カクテルは“旨味”から着想。メーカー主導で完成
限定カクテル4種類は、お酒メーカー主導で開発された“旨味カクテル”がコンセプト。
京つけもの もりの中でもとくに旨味を感じられる「だしおりーぶ」を中心に、試作を重ねて完成したそうです。
◆だしおりーぶマティーニ

京つけもの もりの「だしおりーぶ」を使用し、
出汁の旨味とジン(ボンベイサファイア)の風味を組み合わせたカクテル。
◆梅香漬パローマ

テキーラ(パトロン)をベースに、京つけもの もりの「梅香漬」を取り入れた一杯。
梅の酸味や塩味、グレープフルーツのほろ苦さを組み合わせた構成です。
◆お寿司屋さんの生姜Fizz

京つけもの もりの「お寿司屋さんの生姜」を使用。
生姜の清涼感とレモンの酸味が、ジン(ボンベイサファイア)の香りと重なる、
軽やかなフィズスタイルのカクテルです。
◆白味噌おりーぶ ニコラシカ風

白味噌を使い、レモンと組み合わせた“ニコラシカスタイル”の一杯。
口の中で味が完成する構成になっています。
(※いずれも祇園店限定のカクテルで、店内には約200種類の洋酒が並んでいます。)
編集部が体験|出汁の旨味と洋酒の相性は想像以上

当日は「だしおりーぶマティーニ(1,600円)」と「だしおりーぶ(500円)」、「おすすめ3種盛り合わせ(800円)」を試食しました。
◆だしおりーぶマティーニ

出汁のコクがありながらも軽やかで、漬物の塩味と旨味が自然と飲み口を引き立てます。
“和の漬物 × 洋のカクテル”という組み合わせは初めてでしたが、違和感はなく、むしろ新鮮な相性の良さを感じました。
▼だしおりーぶ、おすすめ3種盛り合わせ(※内容は季節で変動)

おつまみについては、洋酒とのペアリングが前提でセレクトされており、
「香りの強い洋酒にも合うよう、食べごたえのある漬物を選んでいます」
とのこと。1品500円前後と試しやすい価格帯で、初めて訪れる人でも気軽にチャレンジできます。
「だしおりーぶ」は限定メニューではありませんが、和風の旨味をしっかり感じられる定番商品で、カクテルとの相性を試す際にはぜひ味わってほしい一品でした。
おすすめ3種盛り合わせは季節により内容が変動しますが、この日のラインナップは次のとおり。
- 梅香漬(ばいこうづけ)
天日干しの沢庵を薄くスライスし、国産梅肉のかつお味に漬け込んだ、爽やかな酸味の一品。 - 千枚漬
国産の聖護院かぶらと北海道産昆布を使い、上品な甘さが特徴の京漬物。 - れんこん醤油
燻製醤油の香りとピリッとした辛味で、洋酒とも合わせやすいしっかりめの味わい。
いずれも“漬物と洋酒の組み合わせ”を試すにはぴったりです。

この祇園店では、カクテルに合わせて楽しめる店舗限定のおつまみメニューも用意されているので、ぜひ味わってみてください。
祇園という立地を生かした店づくり

店内は、手前が「京つけもの もり」の販売スペース、奥にバーカウンターが続く構成になっています。
15時以降にBAR営業が始まり、昼に購入できる漬物を、そのままカクテルとともに楽しめる導線が特徴です。

気に入った漬物は、店舗手前の販売エリアで購入できますが、漬物販売コーナーの営業時間は10:00〜18:00まで。
夜に訪れる場合は、早めのチェックがおすすめです。

祇園という観光地らしく、メニューは英語にも対応。
支払いは現在、現金とクレジットカードのみですが、今後はバーコード決済への対応も予定されているそうです。
まとめ|祇園の夜に、京漬物を楽しむ新しいスタイルを提案する一軒
京漬物と洋酒という、京都ならではの素材を組み合わせた今回の取り組みは、伝統食をこれまでにない角度から楽しめる、新しい体験のかたちでした。
実際に味わうとその相性は自然で、ペアリングとしての面白さが感じられます。
また、祇園は訪日客が多く、夜まで人が行き交うエリア。
NBGによれば、近年広がるナイトタイムエコノミーの需要拡大は、今回の出店の追い風にもなっているそうです。
散策の途中に立ち寄って軽く一杯楽しんだり、
漬物と洋酒のペアリングをゆっくり試してみたりと、
京都の伝統食を少し違った視点で味わえるスポットとして覚えておきたいお店です。
店舗情報
お酒の美術館 京つけもの もり 祇園店
住所:京都市東山区祇園町北側245
営業時間:15:00〜23:00
漬物販売:10:00〜18:00
定休日:なし
席数:15名( カウンター7席、スタンディングテーブル2卓8席)
支払い:現金、クレジットカード(PayPayは今後対応予定)
※本記事は編集部が取材した内容をもとに構成しています。最新情報や詳細は公式サイトをご確認ください。京都観光の予定にあわせて、ぜひ参考にしてみてください。
編集・文・写真:京都のいちばんち 一部写真提供:株式会社NBG

